『禅脳思考』:備忘録vol1
1年半前くらいにとある書店で購入した「禅脳思考」を読み始めた。
購入してすぐに1度読んでいて、「自分の心を見つめるうえで結構いいヒントをもらえそうな本だったなぁ~」と当時感想として思っていたので、また読み始めた。
読んでいるとやっぱり面白い。
いわゆる、「禅的な考え方を使って、自分の能力を常に最高に引き出す方法」を書き綴っていて、アスリートや音楽家、経営者などにメンタル・トレーニングを実践しているスポーツドクターの辻秀一先生が著者である。
冒頭は、そもそも人間は外界に対して「意味づけ」をする生き物であって、まずはそれを「気づく」ことから禅脳思考は始まるという形からスタートする。
例えば、人間は雨が降ると憂鬱になる。でもそれは人間特有の意味づけする行為であって、そもそも雨が降ることに「憂鬱」なんて意味は付いていない。
人間はこういったように、いろんな外の出来事に対して、意味づけをする生き物である。だからまずは、その意味づけをしている自分に気づきましょう!ということが禅脳思考の基本になる。
そこからつらつらと禅的な考え方について述べられているんだけど、個人的に印象に残った箇所がいくつかあるので、引用しておきたいと思う。
パフォーマンスの質を感じ、質を構築するのは、すなわち「この瞬間の自分の心の状態を整えること」なのだと分かって生きること
その生き方は、常に心をフラットにして、あるがままに保ち、するべきことをするといったあり方
「今ここにある心のための思考」
まず印象的な部分がここだった。
要は「自分の心をまず整えれば、自分自身のパフォーマンスが高まる」という、考え。
筆者はこれを「心エントリー」という生き方と言ってる。
大体の人は、「結果を出すために何をしなければならないのか」という行動の内容や戦略を認知で考え、遂行しようとする「結果エントリー」の生き方をしている。
現実世界だと、きわめて重要な考え方だけど、そもそも結果というのはコントロールができないので(自分の能力以外に環境や偶然も結果に影響していて、それらの度合いの方が大きいから)、心に多大なストレスが掛かる。
そして、そのストレスをポジティブ思考を使って、やりくりして乗り切っていこうする。つまり「結果から始まり、心は後回しの生き方」なんだと筆者は言っている。
でもやっぱりその考え方、生き方だと「フローな心の状態」は生まれず、うまい手じゃないよね。だから「結果エントリー」ではなく、「心エントリー」が大切になってくる。
その他にも…
禅的な思考の基本は「気づき」です。
「気づき」に始まる禅的な思考の基本は、内側、すなわち「自分自身に向かう思考」です。
これも冒頭で述べたように「意味づけしている自分に気づく」ことも含まれている。
自分の経験からも言えるけど、やっぱり何かしらの実体験から生まれる気づきによって、動く原動力はかなり大きいもの。
おそらくそういった時が「フローな状態」で、禅脳思考をフルに使っている状態でもあるのだろう。
また、筆者は禅的な考えのキーワードとして「感情」を挙げていた。
心の状態を表現して、気づくことが大切。
感情に気づくだけで、内側向きの思考のベクトルが脳の中で働くようになり、認知の外側向きの思考にバランスを生み出し、心のフロー化を起こす。
ただこの時、もう1つ大切なのが「出来事」を感じるのではなく、その時どう感じているかという「感情」を述べる事が重要。
「○○が~~をしでかした」とか「ボーナスが出なかった」といったものは感情ではなく出来事。
「出世したい」とか「休みが欲しい」「美味しい」「可愛い」これらも感情ではなく、単に外界の状況に対して意味を述べているだけ。
そうではなく、
「心の状態として捉えている感情は何なのか」
に気づく必要がある。
ここは前のブログでも書いたところと通ずるのかなと思ってる。
要は自分をピュアにして、自分を最も満たしてくれるものは何なのか、自分の感情に気づく。
と、いった感じでこのあたりが大切なポイントだと感じたので、書き記しておく。
まだまだ本は序章だけど、この時点で面白いのが分かる。
おそらく数ヶ月とかに読み返した時には、見方も違ったり思うことも違う内容かもしれないけど、その変化が価値だと思うので、これからも言語化して残していきたい。